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introspection

取り留めのない考えごとを忘れないための内省的日記

経験

普通、極度に内省的な性格はクソの役にも立たないものだけれど、新卒の就職活動に際しては例外的にこれが活かされるようだ。就活のエントリーシートで一番多くみられる質問としては「自己PR」と「学生時代に頑張ったこと」の二つが挙げられるだろう。就活を経験した人、もしくはいま現在就活を行なっている人はよく分かると思うけれど、こういった質問は単に事実を羅列して答えればいいというものではない。簡潔にいえば、この質問の中で暗に問われているのは、就活生が学生時代の経験を通して、一体何を見て、何を考えて、何を得てきたのかということなのだ。

 

何も考えずに生きている人間なんて実際の所ほとんど居ないのだから、ほとんどすべての人が人生の要所で頭を悩ませて、なんとか苦難を乗り越えてきたのだろうと推測できる。その経験は二つの条件さえ満たせば、必ず他のことにも活かされると思うんだ。

 

条件とは。一つは、その経験に際して生まれた思考を一般化して転用可能な形にすることだ。どういうことかというと、例えば、受験勉強を頑張って第一志望の大学に合格した経験や、部活に打ち込んで全国大会で優勝した経験が自分にあったとする。これらの経験に際して生まれた思考のオリジナルの形は、きっと「受験まであと一年あるから、暗記科目は直前期に回して今は伸びるのに時間のかかる数学を勉強しよう」とか「大会一週間前までは徐々に強度を上げた追い込み練習をして、一週間を切ったらテーパリングに入ろう」というような、具体的で個別的なものだろう。このままの形では、この思考は他のことに転用することが出来ない。しかし、これらを演繹的に一般化すると「目標から逆算して筋道を立てて行動する」という他のことに転用可能な一つの思考が生まれる。これが、生まれた思考を一般化して転用可能な形にする、というプロセスだ。

 

二つ目の条件はとてもシンプルだ。それは、自分の経験したことを決して忘れないということ。過去の経験や、その時の自分が考えていたことというのは、後になってからだと中々思い出せないことが多い。日々忙しく過ごしていれば、自然と後ろを振り返る機会は少なくなってきてしまうからね。そこで有用なのが、ブログだと思うんだ。

 

このブログを始めて二年が経った。ブログというのは、何処どこに行きましたとか、何々を食べましたとか、そういうことを書くのが普通だと思うのだけれど、このブログではいつも自分の考えていることをずらずらと読みづらい長文で書き続けてきた。こんなもの誰が読むんだとか、くだらない趣味だと自分でも思っていたけれど、就職活動をはじめてからというもの、このブログには非常に助けられている。というのも、過去の自分が何を考えていたのかということが、エントリの推敲されていない冗長な文章を読むことでリアルに思い出せるのだ。そしてこのことは、ESや面接のネタ作りにとても役立つ。そういえば、二年前の俺は「このブログは読者を想定していない、自分のために書くものだ」と最初のエントリで記していたが、本当に自分のためになるとは驚きだよ。