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introspection

取り留めのない考えごとを忘れないための内省的日記

才能

未来には、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、自分に何の才能があるのかを言い当ててくれるサイトがあるらしい。ほんの一握りの幸福な者を除いて、多くの人間は自分の才能に気付かないまま死んでゆく、なんてのはもう過去の話になっているようだ。技術の進歩により、数十年後にはほとんど全ての人が自分の持つ才能を自覚出来るようになる。

それは素晴らしいことだ、と俺は思った。現代には、自分の隠れた才能に気付かないまま満足のいかない日々を過ごしている人や、反対に自分に才能がないことに気付かないまま報われない努力を続けて時間を浪費している人が大勢いる。それならば、最初から自分にどんな才能があるのかを教えてもらえれば、こういった不幸を生まずに済むのではないだろうか、と俺は最初に考えたのだ。

しかしよく考えてみれば、人は才能があるからそれを好きになるのではないし、好きだからその才能が芽生えるという訳でもないのだ。つまり俺が才能チェッカーから、あなたにはサッカーの才能がありますよ、なんて言われたとしても、俺は全然嬉しくなんかないんだな。なぜなら俺はサッカーにあまり興味がないからね。自分を好きになってくれる女の子のことを、必ずしも自分が好きになる訳ではないだろう。

そう考えてみると、才能チェッカーなんてのは無意味なものなのかも知れない。自分の赤い糸がどこに繋がっているかということを明らかにされた所で、自分がその運命を好ましく思うかどうかっていうのは全くの別問題なんだ。結局のところ、赤い糸が繋がっていようといなかろうと、俺たちは自分が好きになった相手にひたむきであり続けるしかないんだろう。でも、両想いの時より片想いの時の方が刺激的で楽しいっていう人もいるからね。それに、運命や才能のような誰かが勝手に決めたものに縛られず、自分の大好きなことに真っ直ぐでいることは、とても人間的で美しい行いだと思うよ。それで、そうすることでもし少しでも何かを得ることが出来たなら、俺たちは神様に一矢報いることが出来たような気がして、すごく気持ち良さそうじゃないか。