読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

introspection

取り留めのない考えごとを忘れないための内省的日記

感傷

何をしても面白くなかったり、周りの人間がみんなクソにみえる時っていうのは、やっぱり自分自身に原因があるよ。自分の身体を毒ガスみたいなものが取り巻いてて、近付いたものを腐らせてしまうっていうイメージだ。比喩的にいえば、遠くの方に綺麗な花畑があって、ワクワクしながらそこに行ってみると、自分を取り巻く毒で周りの花が全部枯れてしまう、みたいな悲しい話になるね。毒タイプは毒タイプらしく毒沼に引きこもっていた方がいいわけだな。遠くをみて綺麗な景色だなあと思うのは勝手だけど、あまりウロウロと動き回って周囲を汚染するべきではないね。

最近なーんだか心の調子がとてもとても悪い。向精神薬一錠で変わってしまうくらいゆらゆらしたものだし、あまり精神とか気分の浮き沈みに振り回されたくないものだけどね。こういう言い方が適切か分からないけど、あまり精神的に強い方じゃないんだろう。なんだか生まれてからずっと心が安定していない気がするよ。理由は色々とあると思うんだけど、たぶん心の反応閾値が低すぎて、たくさんのことに影響を受けてしまうからっていうのが一つありそうだ。

極端な話をすれば、お昼のワイドショーで、スキャンダルを起こした芸能人を批判しているコメンテーターを見るだけで俺は気が滅入っちまうんだな。安全圏から無責任なことをペラペラと喋るのは汚いやり方だよ。イスラム教に石打ちの刑というものがあるけれど、それに例えれば、批判されている人間は地面に埋められていて、ワイドショーのコメンテーターっていうのはその人に向かって遠巻きから石を投げている愚かな民衆にみえるわけだよ。自分が投げた石によって人が死のうが、彼らは何の罪悪感も感じないのさ。石を投げた人間はたくさんいるからね。この手の想像力が欠落した人間ってとても多くて、悲しかったり腹が立ったりで本当にままならないよ。先日、あまり社会のことをよく知らないのに死刑制度について長々と綴ってしまったのは、そんなことを感じたからなんだ。

また俺の大好きなサリンジャーライ麦の話になってしまうけど、まともな神経をしていたら、ホールデンのように全てのものが嫌いになっちまうのはきっと当然のことなんだ。三秋縋という作家が述べていたことだけど、ライ麦という小説が多くの人たちから青春小説とカテゴライズされていることが、世の中にまともな神経をしている人間がとても少ないことを示しているんだな。あの小説を愛読していたという銃乱射事件や大統領暗殺事件の犯人たちのした事が正しいというわけではなく、死ぬまでまともに、ホールデン的に生きようとすれば、人を殺してしまうくらいには気が狂っちまうってことなんじゃないだろうか。そういう意味では、ホールデン厭世観は大人になる過程で乗り越えられるべきものなのかもしれない。そもそもまともな神経で捉えられる世の中ではもはやないんだから、あまり感度が良過ぎるのも問題になってしまうね。繊細であることのメリットなんて、芸術でもやらない限り何ひとつないさ。あなたには他人の痛みが分かるじゃないとよく言われるけれど、それが分かった所で興味を持てなかったり、それを癒してやろうという考えに至らなければ意味がないんだ。俺は周りに幸せをばらまくことで自らが幸せになれるようなタイプではないから、好ましいと思う人以外にお節介を焼きたくはないんだな。そもそも、俺には話をきいて共感すること以外何も出来ないんだ。だからね、これは皮肉では無いんだけど、無責任な助言や説教が出来る無神経な人が羨ましかったりするよ。なぜならそんな無責任なアドバイスが実際に状況を好転させることがあるからね。自分の無責任さや無神経さに気付かないか、気付きつつも目を瞑ることが出来るっていうのは、間違いなく素晴らしい力だよ。

恥ずかしかったり情けなかったり、色々と理由があって友人にはほとんど話さない昔話だけど、このブログを始めたのは二年前に精神科の医者に日記を書きなさいと勧められたからなんだ。周りの人のおかげで、今は元気でもなく鬱でもない普通の人になれたけど、日記を書く習慣だけは続いているよ。後で自分が書いた日記を読み返したり、文章を自分で推敲すると楽しいんだ。でもやっぱり、こんな日記を書きもせず、読んでもくだらねえと思えるような時期が、俺は一番人生が上手くいっている気がするね。だからこれは一つの診断ツールになり得るんだ。もしあなたがこの日記をこんな所まで読んでくれていて、なおかつ共感なんてしてくれているようなら、俺は少し心配になってしまうな。それでも、そんな風に感傷的に物事を考える時間があっても悪くはないと思う。感傷はちょっとした憂鬱を連れてくるけど、これがなくなると俺たちは、不感症の大人になっちまうからね。 そんな風になるには、まだ若すぎるよ。