introspection

取り留めのない考えごとを忘れないための内省的日記

禁煙

何度か禁煙を試みたことがある。きっかけは色々で、当時の恋人にやんわり喫煙を咎められたからとか、なんとなく顔が老けたと思ったからとか、煙たがられるからとか、まあどれもそんな大した動機じゃない。煙草を吸わない人にはなぜ喫煙者が禁煙に苦労するのか分からないかもしれないが、別に禁煙をすると煙草が吸いたくて吸いたくて気が狂ってしまいそうになる訳ではないんだ。ただなんとなく、長く禁煙を続けていると「もう吸ってもいいかな」と思ってしまう瞬間が来るんだな。例えばお酒の席で周りの人が煙草を吸っている時や、雀荘みたいな煙草くさいところに行った時だね。それと単純に誰かからこっぴどく怒られてムシャクシャした時。あとこれは俺だけかもしれないけれど、読んでいる小説の中で喫煙という行為がやたら感傷的に描かれていたりすると、なんとなく自分も吸いたくなってしまうことがあるね。いずれの場合も共通していえるのは、「もうよくね?」みたいな気持ちになってしまうって所だ。これこそがニコチンの力なのかは分からないけど、禁煙を続けることへの疑念が止まらなくなるんだな。

「健康に悪いっていうけど、まだ若いし平気だろ。」
「煙たがられるのも、非喫煙者がいる空間で煙草を吸わなきゃいい話じゃん。」

といった感じにね。リアルに悪魔の囁きだ。

実は現在進行形で禁煙をしている。というのも俺も昔は走ることが好きで、特にこの季節は夜にランニングに出かけたりしていたんだ。それで最近身体がたるんできてしまったこともあって久々に走ってみたのだけれど、息が全然続かない。胸の真ん中あたりもジンジンするし苦しくて頭も痛くなるしで、結局1kmも走らずにリタイアしたんじゃないだろうか。筋肉の衰えや食生活の悪化もあるし、すべてが喫煙習慣のせいだけではないと思うけど、ここ数年かなりのペースで煙草を吸っていたこともあって、少なくとも1kmすらまともに走れないのはヤバいんじゃないかと考えたわけだ。それに気管の痛みは煙草を吸ってなかった頃に走っていた時は感じなかったものだから、少し健康のことが怖くなったっていうのもある。そんなこんなで今回は健康な身体を取り戻すために禁煙をしてるんだ。まだ三日目だけど、恐らく一週間後には「そもそもこのクソ寒い中走る必要ってなくね?」みたいな言い訳が頭を巡っているんだろうなあ。