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introspection

取り留めのない考えごとを忘れないための内省的日記

ぐらぐら感

「世界五分前起源説」というものがある。バーナード・ラッセルという数学者が唱えたもので、一言でいえば、この世界が実は五分前に創造されたものだとして、誰もそのことを論理的に否定することはできないってことだ。

 
これ、べつに世界じゃなくて自分自身についてもいえる。「俺五分前起源説」だ。つまり、五分前の自分と現在の自分が同じ存在であるなんてことは証明できないということ。そうやって考えてみれば、自己の存在ってのはめちゃくちゃ曖昧なものだ。この間の整形手術のエントリでも書いたけど、人間はその存在の同一性とか連続性を自らの力では証明できないようになってるんだ。それができるのは、人間よりも高次の存在である神様とかになるんだろうな。
 
ポール・ゴーギャンという画家の作品の中に『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれは何処へ行くのか』という有名な絵がある。人間はきっと、自分たちがどうやって生まれたのかとか、自分たちの正体とか、自分たちが死んだらどうなるとか、そういった疑問を自分たち自身の力でどうやっても解決できないことが怖かったんだろう。だから、宗教を生み出した。
 
そして一例としてキリスト教の話を挙げれば、人々は自分たちは神によって創造され、自分たちはアダムとイブの子孫であり、人間は死んだら最後の審判を待つのだという上記の疑問に対する一応の解答を生み出した。これはキリスト教を信じる人たちの心に安寧をもたらす解答だと思う。